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こんにちは!愛知県江南市、愛北動物病院院長の藤井です。

当院で行っている一歩進んだ外耳炎の検査、治療についてご紹介します。当院ではなかなか治らない外耳炎の動物にビデオオトスコープという特殊な内視鏡を用いて外耳道の検査と治療を行うことができます。

 

ヒトと犬、猫との外耳道の違い

まずは下のイラストをご覧ください。ヒトの外耳道(耳の穴の入り口から鼓膜まで)は短く、真っすぐなので、耳掃除は簡単です。それに比べて犬、猫の外耳道は入口から下方向に向かっていって(垂直耳道といいます)、そこから急カーブして、真横に向かう耳道(水平耳道といいます)となり、その奥が鼓膜となります。そのため、外側からだと耳の奥は見ることが難しく、毛などの異物や腫瘍などを見落としがちだったり、鼓膜のすぐ近くにたまっている耳垢を掃除するのは非常に難しいです。こういった「見つけにくい異常」が治らない外耳炎の原因となることが少なくありません。

 

ビデオオトスコープについて

そこで、こういった耳のトラブルに対処できるように、ビデオオトスコープという特殊な内視鏡を導入しました。簡単に言えば、「耳の胃カメラ検査」です。この内視鏡は普通の胃カメラと比較し、非常に小さいため、小型犬や猫ちゃんでも外耳道から鼓膜まで調べることができます。もちろん、録画して耳の中の状態を飼い主様に見てもらいます。こんなにひどかったのか!と驚かれる飼い主様が多いです。とは言っても検査だけでしょ?と思われるかもしれませんが、

 

ビデオオトスコープのすごいところは治療もできるんです!

 

特殊な器具を使って毛などの異物や小さなポリープ、鼓膜の手前に固まっている耳垢、さらには鼓膜の奥の中耳(鼓室)にたまっている液体まで除去することができます。

 

 

下の動画は実際にビデオオトスコープで処置した同じワンちゃんの耳です。左の耳はわずかに耳垢がありますが、きれいで異常がないことがお解りいただけると思います。

 

一方、右の耳は鼓膜付近に多量の耳垢が蓄積して固まっており、炎症を起こしていました。もちろん、普通の「耳そうじ」ではとれなかった耳垢です。こうした頑固な耳垢をカテーテルと洗浄液を使って洗浄、耳垢を除去し治療を行いました。当院ではこのように飼い主様に動画で治療の様子を見ていただくことができます。

 

ただし、デメリットもあります。

簡単な観察のみの場合は麻酔なしでできますが、多くの場合は全身麻酔が必要です。

1回のビデオオトスコープの処置で完全に治ることは少なく、継続した治療が必要です。

通常の外耳処置に比べ、費用がかかります。

耳の状態によってはビデオオトスコープではなく、外科手術が必要となります。

 

外耳炎は簡単な耳掃除で改善する場合もあれば、実は中耳炎まで悪化していたり、様々なケースがあります。ほおっておくと命の危険がある場合もあります。当院では外耳炎治療の選択肢として

通院してもらって定期的に耳を洗浄する

耳の外科手術

に加え、

ビデオオトスコープを用いた耳道の徹底洗浄、異物除去

も行うことが可能です。飼い主様とその動物にとって一番合っている治療を相談して決めさせてもらいます。

 

愛知県、岐阜県で導入している動物病院はまだ少ないので、なかなか治らない外耳炎でお困りの飼い主様は愛北動物病院にぜひご相談ください。

2021年8月26日更新

こんにちは。

今回は前回に引き続いて

「胸腰部椎間板ヘルニア」

の検査、治療にご説明します。

〇必要な検査

後ろ肢が麻痺する病気は他にもありますので、まずは神経学的検査、血液検査、レントゲン検査を行い、神経の病気以外の可能性がないかの判断や、重症度の判定を行います。

これらの検査結果から椎間板ヘルニアを含む脊髄の病気が疑われる場合は、MRI検査を行い、診断します。昔は特殊なレントゲン検査(脊髄造影という方法)で診断していましたが、それでは神経の検査として不十分であるため、当院では近隣のMRI検査可能な病院をご紹介しています。手術は当院でも紹介先の病院でも実施可能です。

下の画像は脊椎(背骨)のレントゲン検査の画像とMRI検査の画像との比較です。MRIではレントゲンでわからない椎間板や脊髄(神経)が写っているのがおわかりいただけると思います。

 

 

MRI検査が必要でも、飼い主様のご都合などにより、検査を受けに行けない場合は、精度は劣りますが、当院で脊髄造影X線検査を行い、ヘルニアの部位を推定して手術を行うことも可能です。

 

〇治療方法

治療方法は外科手術と内科治療があり、重症度と飼い主様のご意向により治療法を決定いたします。

外科手術

症状が重度の場合はもちろん、軽症でも治らない場合、再発を繰り返す場合は手術を勧めています。脊髄は脊椎(背骨)の中にあるので、椎間板ヘルニアの手術は筋肉を脊椎から剥がし、骨をドリルで削って圧迫されている脊髄を露出させ、特殊な手術器具を使って脊髄を圧迫している椎間板を摘出します。下は椎間板を摘出した後の神経の写真です。

 

 

以前は切開する部分が大きい「片側椎弓切除術」を行っていましたが、傷が大きいと動物の負担が大きく、回復にも時間がかかっていましたので、現在は切開する部分が小さく低侵襲な「小範囲片側椎弓切除術」を行っています。ヘルニア部位が一か所の場合、下の写真のように手術の切開部位は3~4cmで済むことが多いです。これにより、ワンちゃんは術後も痛がることが少なく、比較的早く回復します。当院の獣医師は椎間板ヘルニア手術実績が100例以上あり、椎間板ヘルニアの手術はお任せください。

内科治療

症状が軽度の場合や何らかの理由で手術ができない場合は、鎮痛薬や抗炎症薬などの注射と安静にすることで、麻痺や痛みが改善することがあります。内科治療を選択する場合は症状が悪化しないか、注意深く経過観察する必要があり、4~8週間の安静が必要となります。

当院の獣医師は椎間板ヘルニアを含めた脳神経の病気の治療経験が豊富です。江南、一宮、扶桑、大口を含む愛知県のかたで「肢を引きずっている」「どこか痛がる」などの症状があれば、ぜひ愛北動物病院にご相談ください。

2021年8月9日更新

こんにちは!愛北動物病院院長の藤井です。

当院で行っている病気の検査や治療について少しずつブログでご紹介しようと思います。

第1回目は私が以前の病院で最も多く診察していました

「胸腰部椎間板ヘルニア」

という病気についてご説明します。

どういう病気?

脊椎(背骨)はたくさんの椎骨が長くつながってできていて、椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションのようなものが存在します。椎間板は髄核というゼラチンみたいな芯の部分とその外側と円形に囲んでいる繊維輪という弾力のある組織から構成されています。この椎間板がとびだして脊髄(神経)を圧迫する病気を椎間板ヘルニアといいます。ヘルニアが生じた部位により頚部と胸腰部に分けられ、胸腰部椎間板ヘルニアのほうが圧倒的に多いです。

ハンセンⅠ型とハンセンⅡ型

椎間板ヘルニアは突然繊維輪が裂け、髄核が脱出し、脊髄を圧迫するタイプのハンセン1型、繊維輪がゆっくりと盛り上がり、脊髄を圧迫するハンセン2型があります。ハンセン1型は若い年齢でも起こることがあり、急に症状が現れます。ハンセン2型は中高齢のワンちゃんでゆっくり悪化することが多いです。この2つのタイプは治療方法や治療後の経過に違いがありますので、分けて考える必要があります。

 

 

 

症状は?

胸腰部椎間板ヘルニアの症状は後躯麻痺と言われ、軽症から重症まで5段階に分類されます。

重症度 症状
グレード1 脊椎の痛みがあり、背中を押すと痛がる。背中を丸めたり、段差の昇り降りを嫌がる。
グレード2 歩くことはできるが、後ろ肢に不完全な麻痺があり、ふらふら歩いたり、後ろ肢を引きずる。
グレード3 後ろ肢を動かすことはできるが、腰を上げることができず、前肢だけで歩く。
グレード4 後ろ肢が完全に麻痺し、動かすことができない。
痛みを感じる感覚はかろうじて残っている。
グレード5 後ろ肢が完全に麻痺し、痛みを感じる感覚も完全に消失している。

 

Grade1~3くらいまでは内科治療で改善することも少なくありませんが、Grade4以上は早急に検査や手術を検討する必要があります。特にGrade5では手術をしても改善する確率は50%以下となるため、注意が必要です。

 

次回は診断に必要な検査や治療方法についてご説明します。

当院の獣医師は椎間板ヘルニアを含めた脳神経の病気の治療経験が豊富です。江南、一宮、扶桑、大口を含む愛知県のかたで「肢を引きずっている」「どこか痛がる」などの症状があれば、ぜひ愛北動物病院にご相談ください。

 

2021年8月9日更新

こんにちは。愛北動物病院の院長、藤井です。

当院は先代から引き継いだ歴史ある病院ですが、最新の医療機器もどんどん導入していきたいと考えています。

今回、最新のデジタルレントゲンシステムを導入しました!

これまではレントゲンを昔ながらのフィルムに撮影し、現像していましたが、時間がかかる上に撮影する部位によっては綺麗なレントゲン写真を撮影することが難しく、すごいストレスを感じていました。

今回、最新のデジタルレントゲンシステムの導入により撮影時間が大幅に短縮され、飼い主様をお待たせ時間も短くなりました。下の写真はミニチュアダックスフンドのレントゲン画像です。写真を大きく拡大できるようになったので、飼い主様に説明する際に異常のあるところを大きく拡大することでわかりやすくなり、好評です。

これはセキセイインコのレントゲン写真ですが、鳥さんやハムスターさんもレントゲンを撮った後に大きく拡大できるようになったので、病気の診断が格段にしやすくなりました。

小さな動物はヒトや犬、猫で行う血液検査が難しいことが多く、逆にレントゲン検査がとても有用なので、今後は必要な場合には積極的に検査を導入していきたいと思います。

また、撮影時間の短縮により、骨折や椎間板ヘルニアなど手術中にレントゲン撮影が必要な場合も非常にやりやすくなりました。

今後も新しい医療機器を導入した場合はブログなどで報告していきますね。

 

2020年7月29日更新

愛北動物病院のブログスタートです。

2019年4月1日更新